ユーロ/円相場は、1ユーロ136円台まで下落する展開に。引き続き新興国市場の先行き不透明感を背景としたリスク回避の動きが根強く、ユーロ売り・円買いが先行している。ドル/円の下落ペースには鈍化の兆候も見られるが、対ドルでユーロ安が進行していることもあり、ユーロ/円相場は下値を切り下げている。
引き続き、新興国市場の動揺が一服するまでは、ユーロ/円の下値不安が払拭できない。日替わりで各地のリスクが顕在化しており、いつどこで再びリスク回避の動きが加速するのか分からないとの不安心理が市場に広がっている。本来であれば、先進国主導でリスクオフの流れに終止符を打ちたい所だが、2月3日に発表された1月米ISM製造業指数が8ヶ月ぶりの低水準を記録したこともあり、地合の好転を促すには至っていない。2月7日発表の1月米雇用統計をきっかけに、リスクオンの地合に回帰できるのかが試される。このまま新興国市場の不安心理が継続された場合には、ユーロ/円のファンダメンタルズと関係なく下値不安が残る。
一方、1月のユーロ圏消費者物価指数が前年比+0.7%と前月の+0.8%を下回ったことを受けて、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和に対する警戒感が強くなっている。2月5日のECB理事会で利下げが決定される可能性は低いと見られるが、ここで追加利下げの可能性を意識させるような発言などが聞かれると、短期スパンでユーロ安が加速するリスクがあることに注意が必要。1月29日にはノワイエ仏中銀総裁が「いかなるユーロ高もネガティブな影響をもたらすことは明らかだ」とユーロ高を強くけん制したばかりである。
テクニカルでは、一目均衡表の雲下限(138.46円)を下抜き、次の支持線は135円、131.22円と値が飛ぶ。基準線(140.76円)との乖離拡大で、短期的な下げ過ぎ感は強く、自立反発期待は高まる。サイコロジカルは、前週の4勝8敗から変わらず。14日RSIは29.04。